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【大学数学微分①】三角関数と双曲線関数の逆関数の微分の類似性

 三角関数双曲線関数の極限の類似性については、以前この記事で紹介しました。

 

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 今回は、逆関数にも類似性が見られたのでまとめます。

 

 まず三角関数逆関数微分は、次の通りです。

 

三角関数微分

 (1)   \frac{d}{dx}(\sin^{-1}x)=\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}

 (2)   \frac{d}{dx}(\cos^{-1}x)=-\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}

 (3)   \frac{d}{dx}(\tan^{-1}x)=-\frac{1}{1+x^2}

 

 (3)の証明

 y=\tan^{-1}xとすると、x=\tan y・・・①

 ①の両辺をx微分すると、

    1=\frac{1}{\cos^2 y}・\frac{dy}{dx}

 \frac{dy}{dx}=\cos^2 y

 ここで、1+\tan^2 y=\frac{1}{\cos^2 y}の関係から、

 \frac{dy}{dx}=\frac{1}{1+\tan^2 y}

    =\frac{1}{1+x^2} (証明終わり)

 

 次に双曲線関数逆関数微分は、次の通りです。

双曲線関数微分

 (Ⅰ)   \frac{d}{dx}(\sinh^{-1}x)=\frac{1}{\sqrt{1+x^2}} 

 (Ⅱ)   \frac{d}{dx}(\cosh^{-1}x)=\frac{1}{\sqrt{x^2-1}}

 (Ⅲ)   \frac{d}{dx}(\tanh^{-1}x)=-\frac{1}{1-x^2}

 

 

 (Ⅱ)の証明

     \frac{d}{dx}(\cosh^{-1}x)

   =\frac{d}{dx}{\log(x+\sqrt{x^2-1})}

   =(1+\frac{x}{\sqrt{x^2-1}})×\frac{1}{x+\sqrt{x^2-1}}

   =\frac{x+\sqrt{x^2-1}}{\sqrt{x^2-1}}×\frac{1}{x+\sqrt{x^2-1}}

   =\frac{1}{\sqrt{x^2-1}} (証明終わり)

 

 私としては、\sin\tanはかなり似ていると感じました。

 

【高校数Ⅲ極限①】双曲線関数と三角関数の極限が似すぎている件

 こんばんは。

 今日も数学検定1級合格に向けて勉強していて、双曲線関数三角関数の似ている点を見つけたので、まとめます。

 双曲線関数は、以下の関数です。

  双曲線関数

  \sinh x=\frac{e^x-e^{-x}}{2}

  \cosh x=\frac{e^x+e^{-x}}{2}

  \tanh x=\frac{e^x-e^{-x}}{e^x+e^{-x}}

 

 まずは極限です。

 

    (1) \displaystyle\lim_{x\to0}\frac{\sin x}{x}=1

    (2) \displaystyle\lim_{x\to0}\frac{\sinh x}{x}=1

 

    (3) \displaystyle\lim_{x\to0}\frac{\tan x}{x}=1

    (4) \displaystyle\lim_{x\to0}\frac{\tanh x}{x}=1

    

    (5) \displaystyle\lim_{x\to0}\frac{1-\cos x}{x^2}=\frac{1}{2}

    (6) \displaystyle\lim_{x\to0}\frac{1-\cosh x}{x^2}=-\frac{1}{2}

 

 このように並べると、2つの関数がよく似ているのがわかります。  

 

 (6)の証明

  \displaystyle\lim_{x\to0}\frac{1-\cosh x}{x^2}

\displaystyle=\lim_{x\to0}\frac{(1-\cosh x)(1+cosh x)}{x^2(1+cosh x)}

\displaystyle=\lim_{x\to0}\frac{1-\cosh^2 x}{x^2(1+cosh x)}

\displaystyle=\lim_{x\to0}\frac{-\sinh^2 x}{x^2(1+cosh x)}

\displaystyle=\lim_{x\to0}\frac{-\sinh^2 x}{x^2}×\frac{1}{1+\cosh x}

\displaystyle=-1×\frac{1}{2}

\displaystyle=-\frac{1}{2}

◆まとめ◆
 双曲線関数三角関数は、【見た目】は違うが、極限の【性質】が似ている!!

【高校Ⅲ積分①】この問題には、こんな意図があったのかΣ(・□・;)

 こんにちは!

 今日は数学検定1級合格に向けて微分積分の勉強をしていたところ、新たな気づきがありましたので書かせていただきます。もしよければ、最後まで読んでいただけると幸いです<(_ _)>

 

 さて、まずはこの有名な入試問題をご存じでしょうか?

 (1) 不定積分 \displaystyle\int\frac{1}{x^2+1}dx\displaystyle\sqrt{x^2+1}+x=tと置換して求めよ。

(小樽商大)
 
 
 この (1) の置換は普通思いつきません。(思いついたら天才です(笑)じゃあ、どこからこの置換がでるかというと双曲線関数y=\sinh x逆関数からです。
 
 
 詳しくはクイズノックの須貝さんが、この動画で説明されています。
 
 
 
 私は、上述した小樽商大の問題が記載された問題集がどれだったか気になったので探すと見つかりまして、演習問題として次の問題がありました。
 
 

 (1) 不定積分 \displaystyle\int\frac{1}{x^2+2x+2}dx\displaystyle\sqrt{x^2+a}+x=tと置換して求めよ。

 ※(1)のみ抜粋

 

 この問題も背景に双曲線関数逆関数があると思えば、次のように解答できます。

 


 \displaystyle\int\frac{1}{x^2+2x+2}dx・・・①

 

x^2+2x+2=(x+1)^2+1 だから、x+1=u と置くと、u^2+1と表せる。

また、dx=duだから、①の式は

\displaystyle\int\frac{1}{u^2+1}du

となります。上の小樽商大の問題と同じ式の形になったので、双曲線関数逆関数と見れば、答えは

     \sinh^{-1} u+C

=\log(u+\sqrt{u^2+1)}+C

=\log(x+1+\sqrt{x^2+2x+2})+C

 

 双曲線関数逆関数の知識があると、すんなり答えまで行きつけますし、\displaystyle\int\frac{1}{x^2+2x+2}dxの原始関数は、\displaystyle\int\frac{1}{x^2+1}dxの原始関数をx軸方向に-1だけ平行移動したものとみてもよいのかなと思いました。

 

◆まとめ◆
 ・双曲線関数逆関数が背景にある大学入試問題もある。  ・上述したように、原始関数を平行移動したものと見てもよいのだろうか?  ・双曲線関数\tanh xが背景にある大学入試問題はあるのだろうか?

 

【高数Ⅲ微分①】自然対数の底の定義がようやく理解できました!!

 初めまして!!

 mathloveです!

 私は数学が好きで、社会人になってからも色々と独学で学習しておる者です。

 

 今日は自然対数の底について、ようやく納得のいく説明が書かれた書籍を読めたので書きたいと思います。

 

 

 高校の数学の教科書には、次のように書いてありました。

 

 対数関数 y=\log_ax導関数について考える。

 

   \displaystyle{\lim_{h\to0}\frac{\log_a(x+h)-\log_ax}h=\lim_{h\to0}\frac{1}h\log_a(1+\frac{h}x)}

 

ここで、 k=\frac{h}xとおくと、 {h\to0} のとき、{k\to0}だから、

 

 \require{color}\displaystyle{\lim_{k\to0}\frac{1}{xk}\log_a(1+k)=\lim_{k\to0}\frac{1}{x}\textcolor{red}{\log_a(1+k)^\frac{1}k}}

 

 上の赤字の部分の極限値ネイピア数eと定義する。

 

 

 このように、高校の教科書では、対数関数の導関数を求めるという必要性に迫られてネイピア数を定義しました。

 

 しかし、今読んでいる2冊「オイラーの贈り物(吉田武著)」や「スバラシク実力がつく!微分積分キャンパス・ゼミ(馬場敬之著)」は、このように定義しています。

 

 指数関数 y=2^xy=3^xの点(0,1)での接線の傾きを考える。 

y=2^xでは接線の傾きは1より小さく、y=3^xでは接線の傾きは1より大きい。このことから、

 接線の傾きが1 ⇒ 指数関数の底は2と3の間の数

とわかる。

 そのような底をaとすると、点(0,1)における接線の傾きは微分係数の定義から、

\displaystyle{\lim_{h\to0}\frac{a^h-1}h}となり、この値は極限値は1だから

\displaystyle{\lim_{h\to0}\frac{a^h-1}h=1}

この式が成り立つようなaを、ネイピア数eと定義する。

 

 つまり、点(0,1)における接線の傾きが1になるような指数関数の底としてネイピア数を定義しています。私は、この定義がとてもしっくりきました!!

 

 他にもいくつか参考書を見ていると、

\displaystyle{\lim_{k\to0}{(1+k)^\frac{1}k}=e}と定義する

と、唐突に書いてあるものもありました。まあ、こういう参考書は理解が進んでいる人が読むものですね。

 

 まとめ

 ネイピア数eの定義は高校の教科書のように1つではないから、自分で納得できる定義を探すことが大切!!

 

上で紹介した参考書です。

 

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